準備

以下は私が生ごみの堆肥化で使っているものです。これらのもので堆肥化の準備をします、

棒状温度計と温度センサー

 棒状温度計は母材の温度を生ごみ投入前に測ります。母材自体が不均一な混合物ですから、場所によって温度が異なります。何か所かで測定して、一番高い温度をその時の温度としています。 
 温度センサーは(株)エー・アンド・デイのデジタル温度データロガーAD-5326TTを使っています。外部温度センサーを母材に差し込み、10分ごとの温度を記憶させ、次の生ごみ投入前にいったん取り外して、パソコンに温度データを取り込み、データ処理を行います。もちろん温度センサーはここに掲げた機器に限るものではありません、また、なくても堆肥化をすることはできます。

 母材が乾燥したときに加水する量を測るために、また、母材を調製するときのカップとして使用します。

 生ごみを投入して母材をかき混ぜるときに手袋を着けます。母材をかき混ぜて全体に空気を含ませ、さらに、生ごみの表面を母材で覆い、母材まみれにすることで生ごみの分解が促進されます。手でかきまぜることで、前日までに投入され、まだ完全には分解されずに塊になって残っているものを感じることができます。それをほぐすことで、分解を促進させます。手で箱の底までかきまぜるには母材の深さはせいぜい15㎝程度が限度です。この母材の量で400gの生ごみの処理は問題なくできることを確かめています。手袋は農作業や庭仕事で使う、ゴム引きのものが適していると思います。スコップを使うのは①洗濯ネットや箱を傷つける恐れがあること、②本当に底まで掘り起こせないのではと思えること、③手であれば、残されている生ごみの感触を確かめることができることなどから、否定はしませんが推奨はしません。

生ごみの重さを測ります。一回の処理量として多すぎないかとか、温度上昇が低いのは生ごみの量が少なかったからではないかとか、判断材料を残しておいたほうがベターであると思います。

 ダンボール箱の中に洗濯ネット(円柱型直径約45㎝、高さ40㎝)を納め、洗濯ネットの中に母材を入れます。洗濯ネットは一枚だと母材がかなり漏れるため、二重にします。内側のネットの蓋は取り外し、一枚だけにします。蓋があるので虫の侵入を防ぐことができます。

 大きめのダンボール箱をいったん解体し、底面が38㎝角程度、高さ30~35㎝の箱を再構築します。このサイズは洗濯ネットの大きさを考慮したものです。母材は洗濯ネットの中に深さ15㎝程度まで入れます。この深さは手で底までかきまぜることのできる深さです。母材上面から箱の上辺までは15㎝以上になるようにします。母材を攪拌したときにこぼれないようにするためです。母材を攪拌するのは箱の側面や底のほうにある母材も掘り起こして、母材全部が微生物を保持して生ごみ分解に働くようにし、母材が空気をよく含むようにふかふかにすることが目的です。

 私は母材を入れた洗濯ネットの蓋をジッパーで閉めた上に、余分に余っている段ボール板を敷いています。温まった母材の熱を逃がさないようにするためです。

 生ごみが分解すると水分が発生します。この水分はいったんダンボールに吸収されたあとダンボールの外側の面から空気中に放出されていきます。箱を床に直置きすると箱の底板部分に水分がたまり、底板を傷め、床を濡らすことになります。ダンボール箱は底を浮かし、風通しの良い台の上に置くようにします。私は通常置いておくのはスチールの棚(後述)に、作業でとりだすときは木の角材の上に置くようにしています。

 私は主資材にヤシ殻かピートモス、副資材にもみ殻燻炭を使っています。どの資材も微生物によって分解されにくいことが重要です。私は材料そのものがやがて堆肥になっていくものとして「母材」という言葉を使っています。


ヤシ殻
 ホームセンターなどでレンガ状に固めたヤシ殻ブロックが販売されています。表示によれば3.5ℓ(商品によって異なることがある)の水を加えるとありますが、それだけ水を加えると出来上がりが水分過剰になるので、以下のようにしています。

 例えば腐葉土や赤玉土が入っていた強度のある袋(もちろんほかの袋でも問題なし)にブロックを入れ、1ℓの水を加えます。しばらく放置したのち、手でブロックを崩します。崩しきれないものが残っている場合は、さらに200~300㏄の水を加えて崩します。しっとりと濡れた程度のヤシ殻ができると思います。なるべく水を少なくしておいたほうが母材として利用する時に都合がよいと思います。

ピートモス
 ホームセンターなどで販売されているピートモスは酸度の調整が行われていないので酸性を示すはずです。このまま堆肥化の母材にすることもできますが、出来上がり堆肥は酸性になります。家庭菜園などに鋤き込む場合は、後で苦土石灰などをまくことが多いので問題はないかもしれません。鉢植えの用土に混ぜる場合は中性に近いほうが望ましいでしょう。その場合にはピートモス1ℓ当たり苦土石灰約10gを混ぜればほぼ中和することができます。

もみ殻燻炭
 上記のどちらかを主資材とし、もみ殻燻炭は副資材とします。割合は4:1程度でよいでしょう(もしもみ殻燻炭が入手しにくい場合には、主資材100%でも堆肥化は可能です)。
 もみ殻燻炭は堆肥化を進めている過程で、母材が水分過多になったときに、水分量調整のために追加するのにも利用できます。

 上記の混合物15ℓ程度を母材として洗濯ネットに入れると15㎝程度の深さになるでしょう。

 ダンボール箱は風通しの良い廊下、ベランダ、物置などに置くことはできます。大事なことは
①生ごみの分解が始まると発熱し、発生した水分も蒸発し始めます。床に直置きすると箱の底板が水分で傷み、床材も劣化させることになります。そこで例えば、3㎝程度の角材をならべてその上に置くとか、常に床から浮かせておくことが必要です。
②屋外に置くことも可能ですが雨に濡れないようにする必要があります。雨に濡れないように例えばブルーシートのようなもので包むとシートの中が生ごみの分解で発生した水蒸気によって濡れ箱を外からも湿らせて、劣化させることになります。雨に濡れないように、しかも通気性を保つ必要があります。
③雨に濡れないように物置の中に入れておくこともできます。しかしそこから毎日とりだして、生ごみを入れ、母材を攪拌する必要があります。そうすることができる余裕のあるご家庭がうらやましい。
④屋外で生ごみ投入し、撹拌作業をすると、ハエや虫が虎視眈々と狙っています。蓋ができるように作っているとはいえ、油断も隙もありません。ちょっとした隙にハエが入ってきます。注意していても私の箱もハエの餌食になってしまいました。

 生ごみの投入はできるだけ毎日続けることが大事です。屋外に置くと冬には寒さに耐えながら、夏には暑さの中で大汗をかきながら作業をすることになります。考えただけでもギブアップです。

 結局私は自宅の自分の部屋の中に置いています。写真のようにして。 

ここから取り出せば、雨の日でも心配はいりません。

 ある本は家の中においてはいけないとしています。理由は、微生物はカビの仲間なのでアレルギーの原因になり、母材が乾燥するとほこりになるからとしています。確かに心配が皆無であるわけではありませんが、私は現在のところアレルギーの発症はありません。作業後は必ず掃除機をかけることは怠っていません。

 においの心配をする人もいると思いますが、毎日撹拌を行っていれば、においはほとんど気になりません。家族からクレームを受けたこともありません。室内においておけば、基本的にハエもよってきません。
 写真で箱が二つあるのは片方が熟成中です。



サボテン
2024年6月